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気まぐれな巡礼案内⑫´

投稿日:2017/08/22 カテゴリー:瀧生山 永寳寺内慈眼寺

4番 鶏足山 正法寺の巡礼案内の中の、明治以前の「新福寺」の場所について、正法寺ご住職から連絡をいただき、現地を訪ねてみました。

掛川市大池の旧東海道を西進、和光橋を渡り切った東側の山が「かんのん山」と呼ばれています。写真のように今では雑木林ですが、西には田園風景がどこまでも広がり、北から西に逆川の流れを眺め、旧東海道を行き来する様子も眺められる風光明媚な場所です。ただ名残を残すものは何も見当たりません。そこは西側のお宅の所有地で最近まで、其の家の墓地になっていて、山頂の平地は茶畑に開墾されていました。また墓地も「新福寺」が廃寺になって後に新屋した家のため、言い伝えなどもありませんでした。高御所村としては北の端になります。3番長谷寺からは西に1キロ程の近距離です。 明治以前の位置確認ができたことを感謝いたします。


さて「新福寺」が廃寺となり「正法寺」に祀られた経緯については、⑫で案内いたしましたが、長い歴史を持つ遠江三十三観音霊場なので廃寺、統合、移転など様々な変遷をたどった札所が多いことは以前にも記しました。

「正法寺」は遠州観音霊場の第7番札所を兼ねています。「遠江三十三観音霊場」の中で両霊場に属する寺院は5ヶ寺あり、「遠州三十三観音霊場」は昭和59年(1984)に新たに創られた霊場です。以前間違った歴史紹介もありましたが、札所の変遷再興が幾度となく繰り返されてきたことを思うと、仕方のないことかと思われます。

遠州札所を廻っていたら、寺院の方から「遠江札所も廻られたらどうですか」と紹介された、との声も聴かれます。

大切なことは、史実より巡礼者が安心してお参りできるところが多くあるということかもしれません。