「遠江三十三観音霊場」設立については、その成立時期は定かではありませんが、慶安(1684)以前、あるいは文禄(1592)以前とも言われてい(削除)おります。
当時、那智山を第一番寺とした畿内の「西国三十三観音霊場」が盛んに行われていましたが、地方からの巡礼者には大変なことでした。そこで、まず秩父、坂東の三十三観音霊場が成立し、それに続いて「遠江三十三観音霊場」も全国にある「うつし霊場」として成立しました。
この「遠江三十三観音霊場」は、西は天竜川、東は大井川を境とし、北部に岩室(9番)大尾山(13番)粟が岳(23番)の山岳霊場を擁し、掛川城下を出発し、掛川城下で打ち留めとする。城下西方に善光寺を設定し、中間の真昌寺(16番)に馬頭観音を祀ります。また、伝統的に秋の彼岸巡礼がメインであること、通行の煩雑さが不要な掛川藩領内を中心にしていることを見ても、当初から計画的に作られたことがうかがえます。
いずれにせよ、大寺があるわけでもなく、特筆する文化財を持つわけでもない、地域の篤い信仰に護られ支えられながら、四百年の歴史を刻み、維持され続けてきた、素朴な霊場です。
遠江三十三観音霊場保存会
遠江三十三観音霊場保存会 | |
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事務局所在地 | 〒436-0061 静岡県掛川市水垂1230 真昌寺内 |
電話 | 0537-22-3931 |